絵が良くならない原因が何かという話
最近しびおじにこの絵を描かせてもらいました。
この1枚は自分的にすごく気に入っていて、自分の中で何か一つ階段を上がった気がした絵でした。
今までの絵になくて、この絵にあるものって何だろうってずっと考えてたんですけど、自分の中で答えが出たのでブログを書いてます。
絵は基本的に、形、色、構図の3つに分類できると思っています。
最近は特に空間を感じる絵を意識して描いてたんですけど、空間を表現するために必要なのってパース(つまり形のスキル)の比重が大きいと勘違いしていました。
当たり前なんですけど空気遠近法というものがあるので、「色」でのアプローチも必要なんですよね。
色のアプローチとして「ハードライトでライティングを意識する」だったり、
「乗算で色をコントロールしやすいレイヤー構成にする」だったりは色々試していたのですが、このアプローチだけで満足していたのがそもそもの問題でした。
どっちも正しいアプローチだと思うのですが、僕が意識していなかったのは「その結果出来た色は本当に正しい色なのか?」という思考がすっぽり抜けていました。
例えば、「黄色の服に青色の光をあてたときの透過光は本当にその色なのか?」みたいな検証が足りていなかったことです。
簡単に言うと色のミスをしていました。
形のミスは割と目が肥えているので見た瞬間にある程度はわかるんですけど、色のミスに関しては意識してすらいなかったです。
白黒にしたときの方が絵が良いと感じる場合、かなりの確率で色を間違っているということですね。
ハードライトだったり、加算発光だったり、覆い焼きだったり、色んなレイヤーモードがありますけど、おそらく僕はそれに振り回されていたんですよね。
塗りたい色が頭の中にあってレイヤーモードはそれを出力するための手段に過ぎないはずなのに、レイヤーモードに頼って色を作るとそりゃ失敗するよなと。
色のミスは「デッサンが狂ってる」「パースがおかしい」なんていう指摘する言葉がないのも指摘されにくい要因なのかなと。
近い言葉に「ライティングが甘い」っていう言葉があるんですけど、それにすごく違和感を感じていました。
多分この言葉には意味が2種類あるんですよね。
1つ目は「この絵のコントラスト上げる場所(絵の見せ場)はそこではない」という意味。
グレースケールにしても確認出来て、絵の見せ場そのものを作者が掴み切れていないという意味です。当てる光が弱い等もこちらに含みます。
光を当てる場所そのものが間違っているってことですね。
2つ目は「光を当てる場所は合っているが、色の脳内演算が出来ていない」という意味。
グレースケールにして絵の魅力が上がったと感じるのはこちらが原因ですね。
今回この絵が初めて自分の絵で「温度」を伝えることに成功した絵だと思っていて、それが伝わったのは白色のキャラクターを描いたので色の脳内演算が成功したからだと思ってます。
白色以外のキャラだとそれが出来る自信はまだないです。
色彩学とか、カラー&ライト等の本で解決していくものなのかなぁ。
個人的にカラー&ライトは光を当てたときの事象の説明を羅列したものだと思っているので、後者を考える際には良さそうですね。
「良い絵」「好きな絵」と言われる絵への道は長い・・・